【here〜】 ●英文契約書を読んでいると、学校の英語の授業ではお目にかかれない ような単語と出会うことが多々あります。日本語でもそうですが、法律 の世界には権威主義的なところがあって、現代の日常生活では使用しない 言葉であっても、敢えて使いつづけるのです。法律家の中には、その ような一般の方に分かりづらい言葉を使うことを避け、平易な言葉を 実務に持ち込もうとされている方もいます。 ●今日紹介する英単語も契約書特有の言葉の一つで、日常会話ではまず 使われません。hereの後ろに色々な前置詞を付けるのですが、契約書で 出てくる時は、通常hereは当該契約を指す代名詞として使われます。 例えば、契約の当事者は、the parties to this agreementと書くところを、 the parties heretoと省略するのです。 この他、よく使用されるのは、hereby、hereof、hereunderなどです。 注意しなければならないのは、hereafterと出てきた時に、「契約締結後」 なのか「契約発効後」なのか明らかでないということです。当然、契約 締結日と発行開始日が同一であれば問題になりません。 尚、hereの変わりにthereが使用されることもありますが、同一の意味と 理解して問題ないと思います。 ●契約書中では以下のように使われます。 “Subsidiary”shall mean any company the majority of whose voting shares is now or hereafter owned or controlled, directly or indirectly, by a party hereto. これを翻訳すると以下のようになります。 「子会社とは、現時点もしくは本契約締結後に、本契約の当事者が直接的と 間接的とを問わず、議決権付き株式の過半数を所持、支配する会社を意味する」 |